リゾートバイトの求人を開くと、職種、勤務地、期間、寮、時給といった条件が一度に並ぶ。どれも判断材料であることに違いはないが、項目が多いほど比較する軸も増えていく。数字や待遇の良し悪しだけを追いかけると、どの求人も一長一短に見えて決め手を失う。
自分は求人を開く前に、何を優先するかを先に決めている。12年続けた現在、特に見ているのは調理・完全個室・時給の3つだ。ただし、これは誰にでも当てはまる正解ではない。働き続けた結果として、自分の中に残った基準というだけの話になる。
求人票を見る前に、自分の優先順位を決める
「条件の良い求人」という絶対的な正解はない。時給の高さを最優先にする人もいれば、寮の環境や勤務地を先に決める人もいる。同じ求人票を見ても、何を重く見るかによって評価は変わる。
求人サイトは、こちらの優先順位を知らないまま条件を並べている。だから先に自分の側で優先順位を決めておかないと、高時給の数字や有名な観光地など、目立つ条件に判断を引っ張られやすい。
優先順位を決めておくと、求人を見る作業そのものも軽くなる。すべての条件を横並びで比べるのではなく、自分が重視する部分から確認できるからだ。求人が入れ替わるたびに、一から比較基準を作り直す必要もなくなる。
自分も最初から現在の3つを基準にしていたわけではない。いくつかの職種や現場を経験する中で、現在の求人選びでは調理・完全個室・時給を見るようになった。
今の自分が求人を見るときの3つの判断軸
現在、求人を見るときに意識しているのは次の3つになる。

この3つを同じ重さで機械的に採点しているわけではない。案件によって気になる部分は違い、条件の組み合わせによっても判断は変わる。あくまで、求人を見るたびに確認する3つの判断軸として考えている。
仕事は「調理」で選ぶ
最初のリゾートバイトは調理ではなかった。応募したのはホテルのフロントで、経歴を見たホテル側から派遣会社を通じて事務職の提案があり、条件が変わらなかったため受けた。結果として、最初の仕事は経理になった。
その後もいくつかの職種を経験している。ずっと同じ仕事を続けてきたわけではないが、振り返るとこれまでの仕事の大半は調理だった。数を重ねる中で、現在は調理が自分の仕事上の軸になっている。
職種を先に決めておけば、求人を絞る段階は単純になる。職種欄で候補を減らしたあと、残った求人について寮や時給などを見ていけばいい。職種を決めないまま探すより、比較する範囲を狭められる。
もちろん、調理が誰にとっても働きやすい職種だという意味ではない。向き不向きは人によって違うし、別の職種の方が合う人もいる。自分の場合は、経験を重ねた結果として現在の選択が調理になった。
寮は「完全個室」を確認する
求人を選ぶとき、仕事の内容と同じくらい見ているのが寮だ。数ヶ月をその場所で過ごす以上、勤務後に一人で過ごせる環境があるかどうかは、働いていない時間にも影響する。
自分は、寮が完全個室かどうかを判断軸のひとつにしている。仕事が終わったあとに一人で過ごせる時間を確保できるかどうかは、数ヶ月単位で生活するときに無視できない部分だ。
寮の条件は求人票に書かれていることも多いが、表記だけでは判断がつかない場合もある。確認が必要だと感じたら、そのまま推測せず担当者に聞く。ここを曖昧なまま仕事を決めないようにしている。
時給も重要な判断材料にする
環境さえ良ければ時給はどうでもいい、という考え方は自分にはない。働いて対価を得る以上、時給も求人を選ぶうえで重要な判断材料になる。
ただし、時給の数字だけで求人全体を決めることもしない。仕事内容、寮、期間などと合わせて見て、自分の優先順位にどれだけ合っているかを判断する。金額が高くても他の部分が自分の軸から大きく外れていれば、その求人の優先度は下がる。
数字は求人票の中でも比較しやすい項目だ。比較しやすいぶん目にも入りやすいからこそ、時給だけを切り離さず、他の条件と一緒に見るようにしている。
求人票で分からない部分は、決める前に担当者へ確認する
求人票からは、仕事内容、勤務条件、寮、期間などを確認できる。まずは書かれている情報を読み、自分の優先順位に照らして見ていく。
問題は、読んでも分からない部分が残ったときだ。「書いていないから大丈夫だろう」と推測すると、判断の根拠が自分の想像になってしまう。分からないことは、仕事を決める前に派遣会社の担当者へ確認している。
担当者は、求人票だけでは分からない部分を埋めるための情報源にもなる。こちらが何を知りたいのかを具体的に伝えれば、確認できる部分は確認してもらえる。決めたあとで慌てて聞くより、判断材料として先に聞いておいた方がいい。
そのためにも、自分が何を優先しているのかを言葉にしておく意味がある。確認したい点が具体的になれば、担当者とのやり取りも「どんな求人がありますか」だけでは終わらなくなる。
条件が多い求人ほど、自分の基準がないと迷う
高時給、立地の良さ、期間の融通、待遇など、求人票に魅力的な条件が並んでいると、それだけで良い求人に見えてくる。だが、自分が重視している部分から外れていれば、求人全体としての評価は下がる。並んでいる好条件の数と、自分との相性は別の話だ。
逆に、すべてが最高条件でなくても、自分の優先順位に合っていれば十分に候補になる。目立つ条件が少なくても、実際に数ヶ月そこで働いて暮らすのは自分だからだ。
求人選びでやっているのは、条件を採点して一位を決めることではない。自分との相性を見ながら、合うものを残していく作業に近い。比較の基準を自分の側に持っておくと、条件の数に振り回されにくくなる。
判断軸は、現場を重ねるごとに更新していい
自分の場合、最初はフロントに応募し、結果として経理から始まった。その後いくつかの職種を経験して、現在の調理を中心とした働き方に至っている。最初から調理・完全個室・時給という3つを基準にしていたわけではない。
実際に働いてみて初めて、自分に必要な条件が見えてくることもある。求人票を眺めているだけでは、どんな環境が自分に合うのか、どの職種を続けたいのかまで完全には判断できない。経験したことを、次の求人選びに反映させればいい。
ただし、これは「合わなければ途中で辞めればいい」という話ではない。引き受けた仕事には責任を持つことが前提になる。そのうえで、一つの現場で分かったことを次の判断材料として持ち帰る。
一件目から自分にとって完璧な条件を探そうとすると、いつまでも決められなくなる。今の時点で分かっている優先順位を持って選び、経験を重ねながら基準を更新していけばいい。
求人選びは「何を取るか」より「何を優先するか」
万人にとって最強の求人というものはない。同じ求人でも、優先順位が違えば評価は変わる。だから探すべきなのは、条件表の上で一番良く見える求人ではなく、自分に合う求人になる。
自分の場合、現在は調理・完全個室・時給を見て判断している。この3つは12年の中で残ったものであって、そのまま誰かに勧めるための条件ではない。人によって、重視するものは違っていい。
先に自分の優先順位を言葉にする。そのうえで求人票を読み、分からない部分は担当者へ確認してから決める。この順序にすると、並んでいる求人の数や条件の派手さに振り回されにくくなる。